こんにちは
toiee Lab 亀田です。
どんどんリモートが進んでいますね。
そして、行政もいよいよ「デジタル化」を推進し始めました。大企業も率先して、リモート、フラット、ジョブ型雇用などと言い出しています。
今日は、このような時代背景から「フルスタックマーケター」という考え方、働き方、職業についてお伝えします。
なお「概念」ではなく、「実際に、既に起こったこと」です。 つまり、成功事例がある話をお伝えします。
変化とチャンス
変化は、既得権益を持つ人々から見ると脅威ですが、変化は「新しいチャンス」をもたらします。変化があるところこそ、チャンスがあります。
また、変化を見るとき「世の中の大勢が勝手に信じている未来」は、到達しますが大抵は人々の期待外れに終わります。そして、思わぬものが注目されます。
それが歴史の常です。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)が引き起こすもの
では、現在の「デジタル化」「リモート」「ジョブ型雇用」と呼ばれているものの大きな変化は、何を意味するでしょうか?
企業の雇用の方法の変化が起こるでしょうが、それがどんな形に落ち着くかは、予想することは難しいです。おそらく、さまざまな方法が試され、試行錯誤され、最終的には「フラット」になるはずです。また、いわゆる「グリーン型組織」というものに移行していくでしょう。
ただ、それについて準備するよりは、もっと明確に「絶対に起こること」に注意を向けるべきです。
それは「今以上に、インターネット、テクノロジーを身近に使う」ようになることです。当たり前すぎて、拍子抜けするようなことを書いていることは重々承知ですが、以下のように考えてみてください。
デジタルを活用してきたのは、一部の人々だった
まず、リモートに積極的で、リモート会議を開いたり、オンラインで情報をやり取りして、仕事をする。電話ではなく、メールでもなく、チャットで仕事を進めるという人は、今までもいました。
しかし、これは「アーリーアダプター」や「アーリーマジョリティ(の一部)」と呼ばれる人々だけが行動していました。人口比率にして30%ぐらいでしょうか。
つまり、残りの70%は、相変わらず「電話して」「メールで文書を送って」仕事をしています。あるいは、週の半分は出社して対面で仕事をのやり取りをしています。
それが、いよいよ絶滅させられるというのが現状です。
つまり、「インターネット」「リモート」「社内メッセージサービス(チャット)」などを強制的に誰もが使うような方向に向いています。その流れは止まる気配がありません。むしろ加速しています。
誰もが、これまでよりも一段上のレベルでデジタルを使う時代になった ということです。
職場での便利さを、消費者として一般ビジネスに求め始める
このような変化は、必ず思いもよらない場所に変化を引き起こします。例えば「私生活」です。
普段、会社でリモート会議をして便利さを実感しているとします。さらに、メールが廃止され、電話も廃止されたとします。その代わり、社内チャットとリアルタイム文書共有システムを使うようになったとします。
そうなったら、初めて「今までがいかに不便だったか?」に気づきます。
その結果、学校行事のためのPTAの打ち合わせに不満を感じ始めるでしょう。なぜ、わざわざ学校に集まるのか?こんなご時世に。文書も、リアルタイムで共有できるものにして、アンケートもデジタル化すればいいのに。そしたら集計が楽になるし。さらには、電子決済も・・・なんて思い始めるでしょう。
このような意識は、PTA行事だけでなく、普段利用する「ビジネス」についても感じるでしょう。
例えば、
- なぜ、子供が毎日のように塾に通う必要があるのだろうか?
- 半分は家でもいいんじゃないか?
- リモートの良さを利用して、日本全国の中でトップの先生から話を聞きたい
既に、ヨガ、フィットネス、料理教室はリモートが大盛況です。なお、海外では数年前から(特にヨーロッパ)、マイナーな楽器などは「リモート授業」が行われています。タイムラグや録音して送って評価を返信してもらうなどの不便さがあったとしても、一人で訳もわからず学ぶより、よっぽどいい!と感じるのは当然です。
このように、まだまだ「デジタル化」は起こります。
取り残される、中小企業、個人ビジネス
このような時代背景の中、98%と言われる「中小企業」「個人事業主」の方々の多くは、デジタル化に四苦八苦するでしょう。もちろん、何年もかけて淘汰されたり、若い人たちに押しやられたりして、デジタル化は進むでしょう。
それでも、「デジタル化を積極的に取り入れたい」「でも・・・」という方々は一定数います。この方々が、自分で勉強するにしても、本当に大変だと思います。
日本のWebサービスは、5年は遅れています。そして、ガラパゴス状態です。デジタルの良さを最大限活かすことはできません(連携という機能が、決定的に欠けていて話になりません)。しかも高いです。
「高い」「遅い」「機能が少ない」「不便」ということで、使う理由がありません。しかし、海外のサービスを好んで使う人はわずかです。なぜなら、「英語」という壁があるからです。
国内のサービスは論外だけど、海外のサービスも英語だから論外として、デジタル化が進みません。
つまり、「デジタル + 英語の壁」があります。
デジタル化は、マーケティングをやり直すことが必要
一方で「単にデジタルにしたら、売れる」わけではないです。
やはり、顧客のニーズだけでなく、顧客が言葉にできていないニーズを汲み取る必要があります。それを見つけるには、試作品を作って試して、実験することが必要です。
例えば「デザイン思考」というプロセスが役立ちます。
またデジタルを活用して、ロゴ、動画、写真を作ったりする必要があります。これがないと、アピールができないのが今の時代です。
フルスタック(一通りのものを持っている)というチャンス
以上のように、これからの時代は「その道のプロ」とタッグを組んで、「形作れる力を持つ人」が求められます。
具体的には、
- デジタルに精通していて
- マーケティングの根本がわかっていて
- さまざまなWebサービスを組み合わせて試作品が作れて
- イノベーションのプロセス(デザイン思考など)ができる
- 必要ならロゴをさくっと作って
- 動画をさらさらっと編集して
- ちょっとした文章、コピーを書いて
なんでもできる(これをフルスタックと言います)マーケターが求められます。
大企業内でも、フルスタックの需要はある
大企業相手のビジネスでは、なんでもできるよりも、「1つの分野でトップクラス」が求められます。これは非常に競争的な社会で、いわゆる「キャリア」がものを言います。今から初めて、10年は踏ん張る覚悟が必要でしょう。
一方で大企業で働く人々は、外部(あるいはジョブ型雇用で働く人)の「トップクラス」人材を助ける社員が重宝されます。
ジョブ型、外部からプロジェクトのために雇用された人は「1つの分野のプロフェッショナル」です。知識労働者は、必ず成果を出すには、他の助けが必要です。このような時に、このプロフェッショナルを助けられる「フルスタック人材」が重宝します。
フルスタック人材の特徴
フルスタックとは「一通りなんでもできる」を意味します。一方で、1つ1つは「トップレベル」ではありません。スペシャリストではなく、オールラウンダーです。
オールラウンダーが目指すべきは、
- その知識は何ができるのか?
- どんな意味があり、どんな強みがあり、どんな限界があるのか?
- その知識の本質は何か?
- どんな知識と組み合わせると成果につながるのか?
という知識を持つこと、本質をたくさん集めることが求められます。それと同時に、
が求められます。例えば、Webサイトを HTMLやCSSをゴリゴリ書くのではなく、便利なツールで100%ではなく、最低限(例えば70%)で完成させて、とにかくリリースしてしまう力が求められます。
ビジネスが成長してきたら、Webサイトはプロに任せて残り30%を詰めて貰えば良いでしょう。
このように「0から1」や「プロフェッショナルが成果を上げることを助ける」のが、フルスタック人材の特徴、強みになります。
フルスタックは、誰にでもチャンスがある
フルスタックマーケターは「今から」小さくはじめられます。
顧客は98%を占める個人、中小企業を相手にしても良いでしょう。大企業にお勤めなら、社内のプロフェッショナルを手助けすれば良いです。そして、彼らから「小さな仕事」を受けて、仕事を通じて成長することです。
小さくても、ものすごく喜ばれると思います。
もし、中小企業、個人とタッグを組むのであれば、「仕事の仕方を自由にする」ことが可能です。
社員になるよりは、「契約」する形にします。さらに複数の企業や個人と契約し、それぞれを伸ばします。焦らず、時間を欠けて小さい実験を繰り返すようにします。
この場合、企業やビジネスオーナー側からしたら「社員にするよりも、圧倒的に安い」と感じます。もちろん、儲かってきたら、正社員にしたいと思ってくれるでしょうが、最初はリスクがあるので踏み切れません。そんな気持ちに応えることで、仕事をもらいやすくできます。
一方でフルスタックマーケター側としては、複数のビジネスに「投資」と「学習機会」を持つことになります。つまり、どれかの企業が伸びたら、そこに注力する。しかし、最初にどこが伸びるかはわかりませんので、複数の企業に投資するような形でキャリアを始めます。
また、複数のビジネスに関わることで、本質を理解しやすくなりますし、仕事を通じて学習もしやすくなります。
Win-Winであり、一石二鳥にすることができるのが「フルスタック」という考え方、目指す方向です。
夢物語、構想ではなく「現実の成功事例」です
ここまで書いたことは、「そんな新しい仕事の仕方があると思う」ではなく、もう3年前から「実際に身の回りで起こっていること」です。
toiee Lab を卒業した若者たちは、皆「フルスタックマーケター」になっています。toiee Lab で仕事をすると、こういう能力がつくようです。
つまり、
- デジタルに精通し
- マーケティングの本質を理解し
- イノベーションのプロセスを知っていて
- 企画ができて
- 動画や写真をさくっと作って
- 必要ならばロゴも、さくっと作って
- Webサイトを立ち上げ
- メール配信サービスを接続し
- 決済機能を取り付けて
- ランディングページを作って
- アクセス解析を導入し・・・
- Google、Facebookで広告を出稿する
などをやってのけられる人になっています。卒業した人たちは、新しい職場での紹介のされ方は、「こいつ、なんでもできるやつだから、色々仕事をお願いしたり、相談したらいいよ」だそうです。
フルスタックというコンセプトについて、考えてみてください
さて、色々と書いてきましたが、コースやオンラインの塾をオファーはありません。もちろん、このような目的を持ったコース、コミュニティを運営したいという気持ちはありますが、特に準備もしていません。
ただ、伝えたいと思って書きました。
フルスタックというコンセプトをご自身で検討してみてください。もし、あなたが「いろんなことを学ぶこと」が楽しいと思える側なら向いているはずです。
もし、あなたがWebサイトを作るプロフェッショナル、職人になりたいと思う側なら、向いていません。やるべきは、Webサイトを作る仕事を次から次へと受けて、その度に、プロとしての知識を増やして、レベルを上げていくことです。
一方で、フルスタックは「成果を出す」ことから逆算して、必要なことはなんでも学ぶという姿勢を持つことになります。自分の仕事の範囲を限定せず、あらゆることにチャレンジしてみる、そういう生き方になります。
いろんなことに興味があるあら、それを最大限に伸ばして良いです。それが道を開くことになります。その可能性を知ってもらって、ワクワクしてもらえたらと思って書きました。
以上です。